マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

お茶にまつわる言葉と、お茶を飲むことで得られる徳「茶十徳」について

f:id:manastylejp:20170522190846j:plain

昨日、日本茶の歴史や種類について記事を書いたのですが

 

www.mannerstyle.jp

 

お茶に関する言い回しがたくさんあることに改めて気づきました。

それだけ、日本人にとってお茶は身近な存在なんだと思います。

そんなわけで今回は、お茶にまつわる言い回しやしきたりについて書いてみます。

 

 

 

 

宵越しの茶はなぜよくないのか

f:id:manastylejp:20170522191007j:plain

昔から、宵越しの茶はよくないと言われてきました。

宵越しの茶とは、前日に淹れた茶葉を急須から捨てず、翌日も同じ茶葉で淹れるお茶のことです。

調べてみたら、茶葉にはたんぱく質が多く含まれているようです。

このたんぱく質は、湯の中にほとんど抽出されることなく、茶葉の中に残ります。

茶葉の中のたんぱく質は、長時間温度の高いところに放置しておくと、細菌やカビが発生し、腐敗します。

たとえお湯を注いだとしても、細菌やカビが死滅するとは限らないようです。

また、お茶の葉にはタンニンが含まれています。

普通に淹れたお茶の場合、タンニンの濃度は0.1%程度と言われており、この濃度のタンニンは胃の働きを活発にしてくれます。

でも、宵越しの茶はタンニン濃度が濃くなっています。

タンニンの濃度が0.5~1%を超えると、胃の粘膜を刺激してしまい、人によっては炎症を起こしてしまうこともあるそうです。

宵越しの茶は濃く出過ぎることがあるため、胃を刺激しすぎることもあるそうです。

 

「お茶を濁す」の語源

f:id:manastylejp:20170522191034j:plain

お茶を濁すとは、その場しのぎでごまかしたり、取り繕うという意味です。

これは茶道の作法を知らない人が、適当にお茶を濁らせることで、それらしい抹茶に見えるよう取り繕ったことに由来しています。

 

喉が乾いたら水を飲む、心が乾いたらお茶を飲む

f:id:manastylejp:20170521154120j:plain

「喉が乾いたら水を飲むと良い、心が乾いたらお茶を飲むと良い」という言葉があります。

喉が渇いたら、水を飲むと渇きを癒すことができます。

心が荒んだときや、気持ちに余裕がないときは、お茶を飲むと良いとされてきました。

温かいお茶を、気に入った湯呑でのんびり飲むことで、心が休まるんだと思います。

お茶は、コーヒーや紅茶よりも味が薄く、上品な香りを楽しめる飲み物だと思います。

心に余裕がないと、そんなお茶の美味しさを味わえないのかもしれません。

 

お茶を飲むことで得られる10の徳

f:id:manastylejp:20170522191141j:plain

お茶を飲むことで、10の徳が得られると言われています。

「茶十徳」と呼ばれていますが、これは禅僧・栄西の弟子に当たる明恵上人(みょうえしょうにん)が、京都の栂尾高山寺の庭に茶の種を蒔き、お茶を飲むことの効用を十ヶ条に著し、広めたことに由来しています。

 

茶十徳

諸佛加護

お茶の木は、強く根を張り、一年中緑を保ちます。

そんなお茶の生命力を取り込むことができるという徳です。

 

五臓調和

お茶には、アミノ酸が豊富に含まれています。

昔から、お茶は体に良い飲み物と考えられ、薬として用いられることも多くありました。

お茶を飲むことで、体の調子を整えることができるという徳です。

 

孝養父母

コーヒーとは違い、お茶は幼い子どもでも美味しく味わうことができます。

お茶の深い味わいが、素直な心や父母への感謝の心を育ててくれるという徳です。

 

煩悩消除

美味しいお茶をのんびり味わえば、五臓六腑に染み渡り体をリラックスさせることができます。

悩みや苦しみも、お茶を飲めば一時でも忘れられるという徳です。

 

壽命長遠

古来、お茶は養生の仙薬とも言われてきました。

美味しく栄養もあるお茶をのんびり飲むことで、心も体も健康になり、長寿が保てるという徳です。

 

睡眠自除

温かいお茶を飲むことで、血液の循環が良くなります。

頭も冴えて、睡魔を除去することができるという徳です。

 

息災延命

心と体に良い影響を与えるお茶を飲みづづければ、息災で長寿でいられるという徳です。

 

天神随心

お茶を飲むときは、誰でも心が落ち着くものです。

ほんのひとときだけでも、無我無心で純真な心になることができます。

天神の心に叶う境地を味わえるという徳です。

 

諸天加護

家族や友人と一緒にお茶を飲むこともあると思います。

お茶を飲みながら、楽しく語り合う団欒の時間は、神仏に祈る時間と同じように素晴らしいものだと考えられてきました。

そんな時間を持つことは、自然と神仏の加護を引き寄せることになるという徳です。

 

臨終不乱

お茶は昔から薬としても飲まれてきました。

歳を重ねてもお茶を飲み続けることで、心の平静を保ち天寿を全うできるという徳です。

 

 

 

参考文献

神様に愛される一杯の「お茶」習慣

お茶の科学 「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ (ブルーバックス)

日本茶のすべてがわかる本―日本茶検定公式テキスト

明恵上人 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

明恵上人集 (岩波文庫)