マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

静岡産の美味しいお茶を頂いたので、日本茶の歴史と種類について調べてみた

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先週、静岡県で仕事をしていたのですが、お土産にお茶を頂きました。

通常、お茶は産地ごとに茶葉が集められ、1つのブランド名で売られることが多いそうです。

でも、今回頂いたお茶は、有名な1軒のお茶農家で栽培された、厳選茶葉のみが使われたものでした。

「お茶のシングルモルトですから」

と説明されて頂いたお茶を、今日早速淹れてみました。

渋みとほのかな香りが、とても上品なお茶でした。

そんな貴重なお茶を頂いたので、今回は日本茶について書いてみます。

 

 

 

 

お茶の伝来

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お茶が日本に伝わったのは、奈良時代頃だと考えられています。

『日本後記』には、西暦815年に嵯峨天皇へ僧の永忠が茶を煎じて献上したという記録が残されています。

永忠は、805年までの約35年間、遣唐使として唐で仏教を学んでいました。

永忠が帰国時に持ち帰ったお茶は、団茶と呼ばれるものでした。

蒸したお茶の葉を円形に押し固め、乾燥させたものです。

それを都度削って、お湯に煎じて飲んでいました。

嵯峨天皇はこの団茶を大層気に入り、畿内、近江、丹波、播磨にお茶の木を植えるよう命じたと言われています。

しかし、このお茶の飲み方は日本に広まることがなく、一旦は日本でのお茶文化が途絶えてしまいます。

 

抹茶の普及

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永忠が嵯峨天皇にお茶を献上してから約400年後の1191年、禅僧の栄西が宋からお茶を持ち帰ります。

栄西は、宋から禅宗や抹茶の作法を日本に持ち帰りました。

栄西は日本に戻ると、臨済宗という宗派を開きます。

そして『喫茶養生記』という本を書き、抹茶を日本に広めます。

この本には、お酒を飲んだ後に抹茶を飲めば、悪酔いを防ぐことができるといった、お茶の効能が詳しく書かれています。

栄西は、宋から持ち帰ったお茶の木を各地に植えます。

明恵上人にもお茶の木を寄贈し、高山寺白雲橋の東北に位置する深瀬に植えたり、京都の宇治にも植えました。

現在も宇治はお茶の名産地となっていますが、宇治でお茶が栽培されてきた歴史は1000年近くあることになります。

 

茶道の完成

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日本にお茶がもたらされたのが、9世紀の初め頃です。

それが普及し、一般に飲まれるようになったのが12世紀頃。

そして茶道が完成するのが、16世紀です。

茶道を完成させたのは、千利休です。

利休は、禅の精神である侘びの世界を、お茶の作法と融合させました。

利休が茶道を完成させた頃、中国では抹茶が廃れ、煎茶が飲まれるようになっていました。

この煎茶を日本に紹介したのは、僧の隠元です。

隠元は、1654年に明から日本に渡ってきた中国人です。

隠元によって、現在に至るまで続く煎茶の歴史が日本で始まります。

貴族や上流階級がたしなむ抹茶に代わり、煎茶が一般庶民にも飲まれるようになりました。

ヨーロッパでは、カトリックの僧によってシャンパンやリキュールが発明されたとされています。
こうしてみると、日本ではお茶が仏教の僧たちによってもたらされ、普及されたと考えられる気がします。

 

本当に美味しいものとは

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織田信長は、「湯漬け」を好んで食べたと言われています。

湯漬けは御飯にお湯をかけて食べるものですが、これが「お茶漬け」に変化すると、風味や味が一段と増し、美味しくなります。

中国の『菜根譚』には

本当に美味しいものとは、淡白な味のものである。
ゴテゴテした脂っこい食べ物は、本当の美味しいものとは言えない。

といった内容が書かれています。

湯漬けは非常に淡白な味だと思いますが、うっすらとしたお茶の風味が加わったお茶漬けも、菜根譚に書かれている本当に美味しいものだと言える気がします。

 

日本茶の種類

茶の湯で使う抹茶、玉露のように高級なお茶、市販されている番茶など、日本茶の種類や飲み方は様々です。

代表的なものを挙げてみます。

 

煎茶

一番煎茶 静岡産 100g 3袋セット

日本で生産されているお茶の約8割近くが煎茶と言われています。
生葉を蒸し、細長くねじったものです。
4月下旬から5月中旬に摘んだものが一番茶、6月下旬に摘んだものが2番茶、8月に摘んだものが3番茶と言われています。

 

深蒸し煎茶

ハラダ製茶 生産者限定静岡深蒸し茶

煎茶よりも豊富な蒸気を用いて、蒸す時間を煎茶よりも2~3倍長くして作ったお茶のことです。煎茶よりも渋味が抑えられた味わいです。

 

玉露

上辻園 宇治玉露 100g

新芽が出てすぐ、覆いをして直射日光に当てないように育てた茶葉のことです。

煎茶より鮮やかな緑色をしています。

煎茶よりも旨味が増した、高級茶とされています。

新茶が出回るのは、10月頃が多いようです。

 

番茶

●【三年番茶】 国産 100% 京都セレクトショップ謹製  京都セレクトショップ謹製 *1リットルあたり「38円」なので、ペットボトルよりお買い得! 【茶葉タイプ 300g】

葉が大きめで、硬いものを使ったお茶です。

直射日光を十分受けて育っているので、殺菌効果が高いとされています。

 

蒸し製玉緑茶

伊豆に香る 市川のぐり茶 ぐり茶 50号 100g

煎茶をつくる工程から、まっすぐ伸ばす工程を省略したものです。

煎茶よりも濃厚な味わいになります。

 

芽茶

志鎌園 特上玉露芽茶 100g

煎茶や玉露を作る際、選別された芽先の部分です。

1本の茎に1つしかない茶葉の先端部分だけを集めたもので、高級茶です。

 

焙じ茶

大井川茶園 茶工場のまかないほうじ茶 300g

番茶や煎茶の古くなったものを強火で焙じて、香ばしい香りをつけたものです。

市販されている焙じ茶も美味しいですが、自宅で焙じた方が香ばしさをより味わえるようになります。

 

玄米茶

大井川茶園 茶工場のまかない 宇治抹茶入玄米茶 500g

番茶や煎茶に煎った玄米を混ぜたものです。

茶葉の質よりも、玄米によって味が左右されます。

 

粉茶

大塚製茶 業務用 上粉茶 1kg

お茶の製造工程の仕上げ段階で出る、粉だけを集めてつくったお茶です。

 

抹茶

小野園 辻利一 抹茶缶 30g×3個

日よけを使って育てたてん茶を、茶臼で挽いて粉末にしたお茶です。

 

 

お茶と日本の食生活

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お茶は日本人の食生活に深く根付いてると思います。

昔から日本では、食事前と食事後にお茶を飲む習慣があります。

西洋料理のコースになると、食前酒と食後のコーヒーが出てくる場合が多くありますが、和食ではその両方の役目をお茶が持っていることになります。

和食は、お茶で始まりお茶で終わると言えるのかもしれません。

また、コーヒーや紅茶には、砂糖やミルクを加えて飲む場合もあります。

でも、お茶はそのままで十分美味しく味わえる飲み物です。

淡白で、かつ渋みもある味が、醤油や味噌といった味付けの和食にピッタリ合っていたのも、お茶が普及した理由の1つだと思います。

 

 

 

参考文献

日本後紀(上)全現代語訳 (講談社学術文庫)

日本後紀(中)全現代語訳 (講談社学術文庫)

日本後紀(下)全現代語訳 (講談社学術文庫)

栄西 喫茶養生記 (講談社学術文庫)

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

天下人の茶

別冊Discover Japan GASTRONOMIE 世界が注目するニッポンの茶[雑誌]

日本茶の教科書[雑誌] エイムック