読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

きゅうりを食べてはいけない? 各家ごとに代々伝わるルール「家例」

f:id:manastylejp:20170508134237j:plain

連休中に友人宅へ遊びに行ったのですが、友人宅では家族だけのルールを決めている、という話を聞きました。

休日の食器洗いは夫婦で交互に洗う、とか、デザートのプリンやヨーグルトには名前を書いておく、なんてことをしているそうです。

共働きで、奥さんがとてもしっかりしているので、家事はうまく分担しながら生活しているんだと思います。

今回は、家例について書いてみます。

 

 

 

 

家例とは

f:id:manastylejp:20170508134336p:plain

家例とは、その家独自の決まりごとの事です。

特に、その家に代々伝わるしきたりや慣習のことを指す場合が多いようです。

親子間で決めたスマホの使い方、なんてのは、家庭のルールという表現がしっくり来る気がします。

代々伝わる家例について調べてみのですが、「食べてはいけない」「栽培してはいけない」「やってはいけない」という、大きく分けて3つのジャンルがあるように思います。

 

食べてはいけない

家例の中では、特定の食材を食べてはいけないとするものが一番多いようです。

 

おしら様信仰と鹿

f:id:manastylejp:20170508134559j:plain

宗教によっては、特定の食べ物を食べてはいけないと定められている場合があります。

例えば、ヒンズー教やジャイナ教、仏教では、肉食が禁止されています。

また、ヒンズー教徒の間では、牛は神聖なものであると考えられ、食べることが禁止されています。

日本では、家族何代にも渡ってヒンズー教徒という家庭は少ないかもしれませんが、おしら様を奉じている家庭は多かったようです。

おしら様とは、東北地方を中心に信仰されている家の神のことです。

蚕の神、農業の神、馬の神とされています。

おしら様を奉じる家では、鹿肉を食べてはいけないとされてきました。

鹿だけでなく、牛や豚、鶏を食べてはいけないとされる場合もあったそうです。

これを犯すと、口が曲がると言われてきました。

 

武家の料理・式正料理と順序

f:id:manastylejp:20170508135202j:plain

日本の武家の料理である式正料理では、膳の左側に山のもの、右側に海のものを盛りつけます。

食べる際は、まず山のものを食べ、次に海のもの、最後に里のものを食べるという順番が決まっています。

家庭によっては、式正料理に倣って、食べる順番に決まりが設けられていた場合があったようです。

 

明治になって解禁された、フグ

f:id:manastylejp:20170508135311j:plain

フグは猛毒を持っているため、豊臣秀吉や徳川家康はフグを食べることを禁止しました。

明治時代になって、ようやく解禁されたそうです。

ごく最近まで、フグを食べてはいけないという家例が残っている家庭も多かったようです。

 

武士は食べてはいけない

f:id:manastylejp:20170508141416j:plain

軍神が嫌うという理由から、イノシシやシカの肉を食べてはいけないとする武士の家庭は多くありました。

また、イカやスルメ、カニなども、戦の最中には食べてはいけないものと考えられていました。

 

栽培してはいけない

キュウリを栽培してはいけない

f:id:manastylejp:20170508141453j:plain

キュウリを栽培してはいけない、または食べてはいけないとしている家例は多いようです。

その理由は、きゅうりは水神に備えるための食べ物だからという説があります。

また、スサノオノミコトがキュウリを嫌いなため、スサノオノミコトを祀る神社が近くにある地域では、キュウリを栽培してはいけないと言われてきました。

福井県福井市の網戸瀬町では、キュウリを栽培してはいけないとされる場所があります。

これは、地元にある八坂神社にスサノオノミコトが祀られているのと関係しています。

きゅうり以外では、さやえんどう、トウモロコシ、ショウガなどの栽培が禁止されている地域もあります。

 

やってはいけない

f:id:manastylejp:20170508142442j:plain

元旦にはお茶を飲んではいけない、節分にいわしの頭とヒイラギを玄関にさしてはいけないという家例のある家もあります。

元旦のお茶は、新年を祝う意味やその年の無病息災を願って飲む、祝い茶と考えられている場合がほとんどです。

また、節分にいわしの頭やヒイラギを玄関に飾るのも、魔除けや厄除けの意味のあるものとされています。

こうした風習を「やってはいけない」とする家例については、本来であればめでたい日に不幸や災いがあった際に、その不幸や災いを忘れないようにするためという意味があるようです。

 

 

 

参考文献

日本人のしきたり (青春新書インテリジェンス)

知れば恐ろしい 日本人の風習: 「夜に口笛を吹いてはならない」の本当の理由とは―― (河出文庫)

神秘日本 (角川ソフィア文庫)