マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

欧米では「黒猫は不吉」とされているけど、日本では「福猫」とされる縁起の良い存在なんです

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仕事で愛知県常滑市に来ています。

常滑市は、招き猫の日本一の生産地らしいです。

今回食事に訪れた地元の小料理屋にも、招き猫が店の棚に飾られていました。

気になったので地元の人に聞いたり、いろいろと調べてみたら、招き猫の由縁にはいくつもの説があるようでした。

そんなわけで今回は、招き猫について書いてみます。

 

 

 

 

招き猫とは

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招き猫は、前足を上げて人を招く姿をした、猫の置物のことです。

古くは、養蚕の縁起物でした。

ネズミは蚕を食べるため、養蚕農家は猫を飼うことが多かったそうです。

最近では、養蚕ではなく商売繁盛の縁起物と考えられています。

また、芸者の異名を「ネコ」と言うことから、昔ながらの花街では縁起担ぎで置く人が多いそうです。

 

招き猫の由来

遊女・薄雲説

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江戸時代の遊女・薄雲(うすぐも)は、おいらん道中に愛猫を抱いて出るほど、猫を可愛がっていたそうです。

でも、ある日飼い猫を殺されていします。

悲しむ薄雲を慰めるため、ひいきの客が伽羅の鈴木で猫を彫って、薄雲にプレゼントします。

その心意気に喜んだ薄雲は、おいらん道中の際に、猫の像を抱いて歩くようになったそうです。

それが評判になり、模造品が日本中に広まったとされています。

 

老女の今戸焼説

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招き猫は、江戸時代に流行しました。

当時の招き猫は、今戸焼製だったことから、今戸焼の産地・浅草の老女の逸話も今に伝わっています。

浅草花川戸に住んでいた老女は、駄菓子屋を営んでいました。

でも商売がうまくいかず、愛猫を養うことができずに手放してしまいます。

ある日、夢枕に猫が立ち、

「自分の姿を人形にしてみなさい。商売がうまくいくでしょう」

とお告げします。

老女は猫の姿の人形を、今戸焼の焼き物にして、浅草神社で販売してみました。

するとたちまち人気商品になり、老女の商売も盛り返したそうです。

 

ひこにゃんに繋がる、彦根藩主・井伊直孝説

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東京都世田谷区にある、豪徳寺が招き猫の発祥の地だという説があります。

江戸時代、彦根藩主の井伊直孝がある日豪徳寺の前を通りかかりました。

すると、寺の飼い猫が門の前で手招きをしています。

気になって立ち寄ったところ、雲行きが怪しくなり、たちまち豪雨となりました。

雨に濡れずに済んだことを喜んだ井伊直孝は、豪徳寺の改修基金を寄付します。

喜んだ寺の和尚は、この猫を大切に育てます。

猫が死ぬと、墓を建てて丁重に弔いました。

その後、境内に招猫堂が立てられ、招き猫像が造られるようになったと言われています。

この説が元になり、彦根城の築城400年祭のマスコット「ひこにゃん」が考案されたそうです。

 

招き猫が招くもの

様々な種類の招き猫が造られていますが、脚の挙げ方や色によってご利益が異なると考えられています。

 

右前脚を挙げている猫

彩絵 福 招き猫(茶ぶち) 7532

右前脚を挙げている招き猫は、金運を招くとされています。

昼の商売をしている人にご利益があると考えられています。

 

左前脚を挙げている猫

開運 招福 招き猫(常滑焼) 6寸左 白 TB7504

左前脚を挙げている招き猫は、人(客)を招くとされています。

夜の商売をしている人にご利益があると考えられています。

 

両前脚を挙げている猫

FUN fun(ファンファン) 招き猫 商売繁盛 千万両 福猫 高さ25cm リュウコドウ

両前脚を挙げている招き猫は、お金と人を招くとされています。

でも、欲張りすぎて「お手上げ」になることもあると、嫌う人も多いようです。

 

青色の招き猫

常滑焼 招き猫 美園 交通安全猫 青 左手 5号 横幅:10cm 奥行:9.5cm 高さ:15.5cm

交通安全や学業向上のご利益があると考えられています。

 

桃色の招き猫

開運 「結婚・愛情・家庭運向上」 ハッピーキャット 小 ピンク SAN600

恋愛成就のご利益があると考えられています。

 

赤色の招き猫

レトロ 招猫(赤)626 K5292

古来、赤は疱瘡などの伝染病と深く関わりのある色でした。

そのため、病気回復や伝染病予防のご利益があると考えられています。

 

黒色の招き猫

彩絵福招き猫(黒) AM-Y7533

欧米では、黒猫は不吉な存在として忌み嫌われていた時代がありました。

でも日本では、「福猫」と考えられ、て魔除けや幸運、商売繁盛の象徴とされていました。

江戸時代には、黒猫を飼うと結核が治るという迷信が信じられていました。

また、当時は恋煩いをしている女性は、黒猫を飼うと想いが叶うとされており、黒い招き猫も好んで飾られていました。

新選組の沖田総司も、労咳を患って床に伏せっていた際、この迷信を信じて黒い猫を飼っていました。

また、小説家・夏目漱石の「吾輩は猫である」に登場する猫も、黒い猫です。

 

猫は悪役?

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日本の昔話には、化け猫が登場するストーリーがたくさんあります。

また、慣用句でも「泥棒猫」「猫をかぶる」「ネコババ」など、猫は何かと悪役にされがちです。

時には害獣であるネズミを捕え、人間にとって役に立つこともあれば、気まぐれで思い通りにならない存在でもある猫。

そんな神秘的な存在だからこそ、崇拝や祈りの対象になることもあれば、妖怪のように恐れられる存在だったのかもしれません。

まさに、日本神道における、神に対する認識に近い存在な気がします。

 

参考文献

日本のたしなみ帖 縁起物

日本のふくもの図鑑 (ASAHIコミックス)

右手をあげる招き猫―幸運をよぶ動物オモシロ由来学

ゆるキャラ論:ゆるくない「ゆるキャラ」の実態

全国ご当地キャラ大図鑑