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マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

浦島太郎と日本神話の関係が面白かったのでまとめてみた

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先日、桃太郎と日本神話・陰陽五行思想の関係についてまとめた記事を書いてみました。

 

www.mannerstyle.jp

 

面白い発見がたくさんあったので、今度は浦島太郎についても調べてみたのですが、こちらも調べれば調べるほど奥が深いものでした。

というわけで今回は、浦島太郎と日本神話について書いてみます。

 

 

 

 

浦島太郎のあらすじ

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浦島太郎は、日本各地に伝わる龍宮伝説の一つです。

漁師の浦島太郎が、海岸で子供達に亀がいじめられているのを見かけます。

浦島太郎が亀を助けると、亀はお礼に海の中の竜宮城に連れて行ってくれます。

竜宮城では乙姫が浦島太郎を歓待し、3年間竜宮城で過ごしました。

そろそろ家に帰りたいと乙姫に伝えると、乙姫は「決して開けてはいけません」と言いながら、玉手箱を渡します。

浦島太郎が亀に連れられて浜に戻ると、景色が変わっており、知っている人が全くいません。

思わず玉手箱を開けると、中から煙が発生し、煙を浴びた太郎は老人の姿になってしまいました。

浦島太郎が竜宮城で過ごした日々は3年でしたが、地上では300年経っていたのです。

 

公式な歴史書に登場する浦島太郎

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桃太郎のおとぎ話は、室町時代から江戸時代にかけてできた話だとされています。

浦島太郎については、桃太郎よりも更に古い時代に創られました。

8世紀頃の日本で書かれた『古事記』『日本書紀』『風土記』の中に、浦嶋子(うらしまのこ)の話が残されています。

古事記や日本書紀は、当時の権力者が編纂した、公式な歴史書です。

単なるおとぎ話であれば、わざわざ歴史書に残す必要はないはずです。

その理由を調べてみたのですが、浦島太郎の物語の中に、日本の歴史ミステリーが隠れている気がしました。

 

古代の歴史書に登場する浦島太郎

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古事記

古事記の中には、神武天皇が瀬戸内海を船で東に進んでいた際、遠くから釣竿を抱え、亀に乗った男がやってきて、水先案内をしたと記録があります。

古事記の中で、この人物が浦島太郎と書かれているわけではありませんが、私たちのイメージする浦島太郎の特徴に良く似ています。

 

日本書紀

日本書紀の中には、浦島太郎(浦嶋子)は雄略天皇の時代に実在した人物だったと書かれています。

丹波国(今の京都府)の住人である浦嶋子は、舟に乗って釣りに出たところ、大亀を捕まえました。

大亀は女人に化け、浦嶋子はこれを妻にします。

そして二人は海中に入って蓬莱山へ赴き、仙人たちに会ったとされています。

古事記や日本書紀以外にも、『丹後国風土記』、『万葉集』にも浦島太郎と特徴が良く似た人物が登場します。

 

古代の歴史書に登場する海

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古事記や日本書紀に書かれた神話の時代は、歴史研究では「大陸から日本に騎馬民族が渡ってきて、徐々に支配を広げていった」と考えられています。

当時の日本は大陸と陸続きではありませんでした。

そのためか、『日本書紀』の中には、海に関する逸話がたくさんあります。

饒速日命(にぎはやひのみこと)が、天の磐船(あまのいわふね)に乗ってやってきて、王として君臨していたと書かれています。

神武天皇は九州から船で東に向かう際、紀伊半島でその土地に住むの毒気におかされていたところ、海人族(あまぞく)に助けられたことも書かれています。

海に囲まれた国土だからかもしれませんが、神話には海に関する逸話が非常に多くあります。

 

神功皇后と武内宿禰

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福岡県にある宗像大社には、神功皇后に関する伝承が残されています。

神功皇后が九州を制定し、朝鮮半島に攻め込もうとした際、竜宮城の海神に妹を向かわせ、協力を依頼したそうです。

その際、呪術に使う「玉」を貰い受けたとされています。

神功皇后には、武内宿禰という家臣がいました。

この人物、景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代の天皇に仕えたという伝説上の忠臣です。

武内宿禰は、紀氏・巨勢氏・平群氏・葛城氏・蘇我氏などの豪族の祖とされています。

『日本書紀』の中では、武内宿禰が300年近く生き続けたことになっています。

浦島太郎の物語でも、太郎が竜宮城で3年過ごしたら、いつの間にか300年経っていたとされています。

ここに、浦島太郎のモデルになった人物のヒントが隠れていそうです。

 

浦島太郎につながる?3つのキーワード

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1つ目のキーワード

神功皇后は、九州を平定に向かう際、山口県辺りにしばらく滞在しました。

その場所は「豊浦宮(とゆらのみや)」です。

時代が代わり、7世紀に推古天皇が都を置いたのは、奈良県の豊浦宮(とゆらのみや)でした。

浦島太郎の名前にも使われている「浦」の文字。

そして、高貴な女性が住む都の名前に使われた「浦」の文字。

古代「浦」という字は、湖畔や海岸の集落を指す言葉として用いられていました。

内陸地に造られた、山口の豊浦宮や奈良の豊浦宮。なぜ、海を関連付ける必要があったのでしょうか。

この「豊浦宮」は、1つ目のキーワードになります。

 

2つ目のキーワード

山口県にある「豊浦宮」に滞在したのは、神功皇后です。

男性でも天皇でもない、皇后が軍を率いていたとされています。

夫は仲哀天皇でしたが、熊襲征伐の際に矢が当たって急死したとされています。

そのため、夫に代わって熊襲を討伐し、朝鮮半島にも出兵しました。

また、最初の女性天皇とされる推古天皇は、奈良県に「豊浦宮」という宮をつくりました。

浦島太郎にも、「乙姫」という高貴な女性が登場します。

「女性の皇族」というのが、2つ目のキーワードです。

 

3つ目のキーワード

神功皇后に仕えていたのは、武内宿禰です。

彼は5代の天皇に仕え、300年生きたとされています。

また、紀氏・巨勢氏・平群氏・葛城氏・蘇我氏などの豪族の祖とされています。

一方、推古天皇に仕えていたのは、武内宿禰の子孫・蘇我馬子です。

浦島太郎では、竜宮城で3年過ごしただけなのに、地上では300年の月日が過ぎたことになっています。

「蘇我氏」というのが、3つ目のキーワードになります。

 

蘇我馬子と浦島太郎

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蘇我馬子は、当時嶋大臣(しまのおおきみ)という別名で呼ばれていました。

この名前と、浦島太郎(浦嶋子)を比べてみます。

豊浦宮におわす推古天皇を補佐する、嶋大臣(蘇我馬子)。

豊浦宮の嶋大臣・・・豊浦の嶋・・・浦嶋。

 

蘇我馬子と浦島太郎が、つながる気がします。

 

玉手箱とは何なのか

 

日本書紀に書かれた浦島太郎が、蘇我馬子の存在を暗に示すものだとしたら、一体なぜこんな面倒なことをしなければならなかったのでしょうか。

日本史において、蘇我氏は悪役です。

蘇我馬子の孫にあたる蘇我入鹿は、中大兄皇子や中臣鎌足らによって、皇極天皇の御前で殺害されます。

その遺体は、大極殿から雨が降る外に打ち捨てられたとされています。

その後、蘇我本家は滅亡します。

武内宿禰のように、何代にも渡って天皇を支え続けたという蘇我氏の功績を、浦島太郎の物語に秘めたとは考えられないでしょうか。

浦島太郎の物語では、最後に玉手箱を空けて老人の姿になってしまいます。

また、蘇我氏は、当時ヒスイの生産を独占していました。

当時、ヒスイは海の底から産出されていました。

また、ヒスイは、不老不死及び生命の再生をもたらす力を持っていると信じられていました。
ここにも、蘇我氏と浦島太郎を結びつけるヒントが隠れている気がします。

 

 

 

ここまで書きましたが、浦島太郎と日本神話の関係について書くのを、一旦中断します。

浦島太郎のモデルが、蘇我馬子ではないかと考えるには、更なる歴史書の研究が必要だと思いました。

あくまでも趣味で、古典を読み比べているだけですので、正しい歴史認識や歴史書の解説ができているわけではありません。

それでも、浦島太郎が日本書紀という公式な歴史書に登場しているのは、そこに編纂者の何らかのメッセージが込められているような気がしています。

竜宮伝説に関して、ちゃんとした歴史研究家がまとめた様々な説があります。

時間をかけてじっくり読み比べて、浦島太郎に関するこの記事を完成させてみたいと思っています。

 

参考文献

古事記の邪馬台国

現代語古事記: 決定版

古事記の宇宙

新版 古事記 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

日本書紀(上)全現代語訳 (講談社学術文庫)

現代語訳 古事記 (河出文庫)

『日本書紀』の呪縛 シリーズ<本と日本史>1 (集英社新書)

神話で読みとく古代日本 ──古事記・日本書紀・風土記 (ちくま新書)

万葉集 全訳注原文付(一) (講談社文庫)

御伽草子 下 (岩波文庫 黄 126-2)

昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学 (角川ソフィア文庫)

神隠しと日本人 (角川ソフィア文庫)

歴史としての御伽草子

浦島太郎の日本史 (歴史文化ライブラリー)