マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

飲食に、見た目の美しさや風流を追及してきた日本人

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取引先の方が、お土産に大福を持ってきてくれました。

普段甘いものをあまり食べないのですが、オシャレな箱の中にかわいらしい大きさの大福が入っていたので、会社の皆ですぐ食べてしまいました。

食べ物は盛り付け方1つで、食欲が刺激されることがありますね。

私は普段あまりお酒を飲まないのですが、花見の席では皆と一緒に楽しく飲んでしまいます。

そんなわけで今回は、日本料理の食べ物と見た目の関係について書いてみます。

 

 

 

花見と飲食

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花見の風習は、奈良時代からあったとされています。

当時の花見は、貴族の間で行われる行事でした。

花見の風習が、庶民に広まったのは江戸時代になります。

1720年に、徳川吉宗が花見を勧めます。

吉宗は日本各地から山桜の苗木を取り寄せて、それを飛鳥山や御殿山、向島など、江戸とその近郊の山に植えさせました。

江戸時代から、花見は桜の花を鑑賞しながら宴会をするようになりました。

今も、花見において桜の花を観賞するのと酒を呑むのは、切っても切れない関係になっています。

美しい花が咲き、花びらがヒラヒラと舞い落ちる風景の中で、集まった人たちで酒を酌み交わす、それまで庶民にはあまり縁のなかった、飲食と美しさ・風流が融合したものが、花見だったのではないでしょうか。

 

花見における暗黙のルール

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江戸時代、花見においての暗黙のルールがありました。

花見中に酒を呑んで、酔っ払い同士の喧嘩になることがよくありました。

粋な江戸っ子の間では、花見の際に喧嘩になっても、決して手を出してはいけないとされていました。

機知のある啖呵を切って、相手をぐうの音も出ないように言い負かした方が、勝ちとされていました。

「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉がありますが、花見においては「華のある酒の飲み方」が求められていたようです。

 

大福と桜餅

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徳川吉宗が花見を勧めた少し後の18世紀頃、大福が登場しました。

それ以前にも餡を餅の皮でくるんだ餅菓子はありましたが、砂糖を使わず塩を使った餡をくるんだ「鶉餅(うずらもち)」というものでした。

鶉餅は大きく腹持ちが良いことから、「腹太餅(はらぶともち)」とも呼ばれていました。

大福の中身になる餡の原料は、小豆です。

もともと、漢方薬として使われていたこともありました。

小豆には、利尿効果や美容効果があるとされています。

また、小豆にはサポニンという成分が入っており、滞った血を滑らかにする作用があると言われています。

江戸時代に入ってから、日本では砂糖の大量生産が始まりました。

漢方薬として使われていた小豆に、砂糖を混ぜて作った餡を使うお菓子が徐々につくられるようになりました。

餡を包んだ柔らかい餅のお菓子は、美味しくて健康に良いという触れ込みで売られ始めます。

腹持ちが良いことから「大腹餅(だいふくもち)」と最初は呼ばれていたそうですが、美味しくて健康に良いことから、大きな福がやってくる「大福」と名付けられたそうです。

ちなみに、餡を桜の葉で包んだものは、桜餅です。

関東風と関西風の異なる桜餅がありますが、関東風桜餅は1717年の春に、向島の長命寺の境内で売り出されたのが始まりとされています。

桜餅を食べて、桜の季節を楽しみ、同時に命も長引かせることができるという触れ込みが受けました。

長命寺の桜餅は、現在でもよく売れているそうです。

 

目で味わう日本料理

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日本料理は、食べるだけでなく見る料理でもあると言われています。

世界各国に、食事に関するしきたりやマナーがありますが、日本では「料理を味わう前に、器や盛り付けを鑑賞する」という、独特の食事のマナーがあります。

料理を作る側も、メニューに適した器を選び、盛り付けにも工夫します。

器選びや盛り付け方は、料理人の腕の見せ所の1つです。

日本料理の盛り付けでは、丸い器には四角い豆腐や四角く切った根菜類を盛り、四角い器や皿には丸くこんもりと盛り付けるのが基本となります。

また、2や4といった偶数を避け、3、5、7などの奇数の数量を盛り付けるのもお約束になっています。

季節に合わせた器を選んだり、器と料理の色合いにもこだわっています。

器や盛り付け方にこだわり、旬の食材を使う日本料理。

日本料理は、食べて味わうだけでなく、見ても楽しめる芸術品なんだと思います。