マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

5月5日は、法律的にはこどもの日というより母の日なのかもしれない

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明日は朝から取引先まで車で向かうことになったので、今日は会社の車に乗って家に帰りました。

昼から雨が降ってきたので、同じ方向に帰る職場の同僚を乗せて帰ったのですが、その同僚の自宅に少しだけお邪魔しました。

家には奥さんと2歳の男の子がいて、立派な5月人形が飾られていたんです。

もうすぐこどもの日なので、男の子のいる家では、5月人形を飾るところも多いと思います。

今日は、こどもの日について書いてみます。

 

 

 

 

国民の祝日に関する法律(祝日法)

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昭和23年(1948年)7月20日に発布された、国民の祝日に関する法律(祝日法)の第178号によると、5月5日は

「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」

と定められています。

こどもを1人の人間として尊重し、幸せを願うためのという意味で、5月5日は「こどもの日」として知られています。

でも、法律にある「母に感謝する日」という部分については、あまり知られていない気がします。

母に感謝する日としては、日本では5月の第2日曜日が「母の日」になってます。

でも、この日は特に法律的に決められたものではありません。

法的には、母の日はむしろ5月5日だと言ってもいい気がします。

 

こどもの日と端午の節句

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端午(たんご)とは、五節句のうちの1つです。

「端」とは「物のはし」、つまり「はじまり」という意味で、元々「端午」は月の始めの午の日のことを意味していました。

旧暦では、午の月は5月にあたります。

日本では、この午の月の最初の午の日を節句として祝っていました。

「午」は音読みで「ゴ」となり、「五」と読み方が同じになります。

そのため、毎月5日が午の日となり、その中でも数字が重なる5月5日は「端午の節句」と呼ぶようになりました。

現在のカレンダーには、5月5日は「こどもの日」と書かれていることが多いと思います。

「こどもの日」は、昭和になってから日本の法律で制定された祝日のことです。

「端午の節句」は、古く中国で始まった風習が日本に伝わり、男の子が元気に育つことを願うようになったものです。

昭和になってから、端午の節句の日に、こどもの日が定められたことになります。

5月5日を「こどもの日」と呼ぶ歴史は、意外と浅かったようです。

 

5月5日と女性

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日本では、5月5日と女性は古くから深い関係がありました。

この日は、もともと女性の休養日でした。

5月は、皐月(さつき)とも呼ばれています。

この時期は、田植えの準備が忙しくなる時期です。

古くは、男性が家の外に出払い、女性だけが家の中に籠って、田植えの前に穢れを祓い清める「五月忌み(さつきいみ)」という風習がありました。

田植えは大切な米を育てるための大切な儀式と考えられており、女性は田に入る前に穢れを清める必要があると考えられていたんです。

穢れを祓い清めると言っても、実際は仕事が忙しくなる前に、晴れ着を着てゆっくり休養をとっておくのが目的だったとされています。

また、5月4日の夜から5月5日にかけてを「女天下」と呼び、家の中を女性が取り仕切る日とする慣習がある地域も、日本各地にありました。

元々、節句の「節」とは季節の折りめで、仕事を休むハレの日とされていました。

ハレの日に対して、日常とも言えるケの日は仕事にいそしむ日になります。

こうして見ると、やはり5月5日は「こどもの日」というよりも歴史的に「女性の日」「母の日」と言える気がします。

 

端午の節句が男の子の日になった理由

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端午の節句は、別名「菖蒲の節句」とも言われています。

「菖蒲」は「尚武」と読みが同じです。

また、菖蒲の葉の形は、刀を連想させるものです。

そうした理由から、鎌倉時代頃から端午は男の子の節句と考えられるようになり、男の子の成長や幸せを祈るようになりました。

現在も、鎧兜や五月人形を飾る家庭は多いと思いますが、これは鎌倉時代から始まった風習と言われています。

なお、鯉のぼりは江戸時代に入ってから広まった風習です。

 

今年の5月5日は、母に感謝してみようか

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古来、女性が穢れを祓い清めることを目的に家に籠った「五月忌み」。

そして昭和23年に制定された祝日法にある「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」という表記。

せっかくなので、今年の5月5日は祝日法に定められている通り、実家の母に感謝の気持ちを伝えてみようかと思ってます。

多分、変な顔されそうな気がしますけど。

 

参考文献

法律学小辞典 第5版

日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―

日本人 祝いと祀りのしきたり (青春新書インテリジェンス)

しきたりの日本文化 (角川ソフィア文庫)

改訂新版 旧暦読本: 日本の暮らしを愉しむ「こよみ」の知恵