マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

めでたい「松竹梅」は、男性・女性・子供をイメージしたものでもあった

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今日は仕事で、三重県の製茶会社の方と打ち合わせしていました。

三重県のブランド茶「伊勢茶」が海外で人気らしく、スタバのような緑茶専門店に茶葉を輸出する量が徐々に増えているそうです。

打ち合わせの中で

「より日本らしさを出すために、海外販売に関するイメージ戦略を考えたい」

という話が出てきました。

スタバではカップのサイズによって、ショートやグランデという呼び方をします。

緑茶だから、和風な「松竹梅」という種類をつくってはどうだろうか、なんて意見も以前はあったそうです。

鰻をはじめ、様々な品物のランクを表す際に使われる「松竹梅」。

気になったので、その呼び方の由縁について調べてみました。

今回は、「松竹梅」について書いてみます。

 

 

 

松竹梅と歳寒三友

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松竹梅という言葉は、中国の「歳寒三友(さいかんさんゆう)」に由来しています。

意味は、「寒い冬にの季節に、友とすべき三つのもの」となります。

「歳寒」には、逆境や乱世という意味も含まれています。

この「歳寒三友」は、中国の宋の時代より好まれるようになった、画題の1つでです。

画題とは、いわゆる絵を描く際のテーマのことです。

歳寒三友には、松竹梅以外にも「松」「竹」「水仙」の3つが挙げられるものもあります。

この歳寒三友が松竹梅の由縁になっていますが、歳寒三友という言葉自体は、特にめでたいものの象徴ではありません。

日本で時代が進むにつれ、松竹梅がめでたいものとされるようになったようです。

 

松・竹・梅がめでたいものとされるようになった理由

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古来、日本人にとって松は「神が宿る神聖な木」とされてきました。

常緑樹で、一年中緑があり、 樹齢も何十年、何百年と長いことから「長寿」の象徴とされました。

また、竹や梅は庶民が日常生活で使ったり食べたりする植物でしたが、松は仙人の食べ物と考えられていました。

そのため、水墨画で仙人が描かれているものの中には、松が一緒に描かれていたり、仙人が松の葉を噛んでいるものもあります。

日本では、平安時代頃から縁起物の象徴になったとされています。

 

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まっすぐに伸びる様子と、地面にしっかりと多くの根をはり新芽を出していく様子から、竹は「子孫繁栄」の象徴とされました。

また、古くから竹は家具や食器に利用されてきました。

毎日の暮らしに欠かせない、大切な植物だったんです。

室町時代頃から縁起物の象徴になったとされています。

 

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春を待って咲く桜と違い、春を運んでくる梅。

寒い冬に、気高い香りとともに花を咲かせる生命力の強さから「気高さ」 や「長寿」の象徴とされました。

また、薬としても用いることができる植物です。

江戸時代頃から縁起物の象徴になったとされています。

 

男女と子供に見立てた「松竹梅」

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松・竹・梅がめでたいものだと考えられるようになった理由は先に挙げた通りですが、それぞれを男・女・子供に見立てるという考え方も古くからあります。

 

松と男性

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松の木は、たくましく強靭な幹から、形の良い枝が伸びています。

幹は、鍛えられたようなたくましさを感じさせます。

枝は、上に向かって伸びるものがほとんどです。

松の緑が四季を通じて変わらない姿は、生涯を通じて愛する女性や家庭を守る男性の姿にぴったりな気がします。

海岸沿いに防風林として松が植えられているのも、男性のたくましさや温かさを象徴している気がします。

 

竹と女性

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かぐや姫は、竹から産まれたとされています。

理想の女性と、竹のイメージは似ているところがたくさんあります。

竹の表面は、艶やかで手触りが良いものです。

材質はしなやかで、冬に雪が積もってもじっと耐え忍びます。

その姿は、決して雪に負けているのではなく、雪が溶けるのを待っているんです。

雪が溶けると、何事もなかったかのようにまっすぐ元通りになります。

春になると、待っていたかのように竹の子があちこちに誕生します。

そんな竹は、美しさを保ちつつ、家庭をしっかりと守りながら家族の世話をこなす女性の姿にぴったりな気がします。

仕事で活躍する女性も、美しさとしなやかさを兼ね備え、簡単に折れることのない仕事ぶりは、竹のイメージにぴったりだと思います。

 

梅と子供

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梅の花は、寒中に凛とした姿で咲きます。

寒さに負けず元気に走り回る、「子供は風の子」という言葉にぴったりな気がします。

梅の子供は、梅の実と言えると思います。

梅の実は、殺菌効果が高く、梅干しは古来健康食品として重用されてきました。

こうした松・竹・梅のイメージから、理想の男性像・女性像が考えられるようになり、梅は子供に見立てられるようになったとされています。

 

松竹梅と植物学

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植物学においては、松は裸子植物、竹は単子葉類、梅は双子葉類に分類されます。

しめ飾りに使われるウラジロは、シダ植物です。

松竹梅は、植物学で考えても、様々な種類の植物がバランス良く含まれていることになります。

 

松竹梅の順番と優劣

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江戸時代、京都や大阪の遊廓では、遊女の格付けに松竹梅が使われることがありました。

 結婚式の三々九度で三回に分けて飲む杯は、順に「松」「竹」「梅」と言います。

 松竹梅が使われる場面は様々ですが、本来は、松竹梅には明確な優劣はないとされています。

松が最上級となり、次に竹、梅とする場合が多いようですが、梅が最上級になることもあるようです。