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マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

上座・下座を知っておくことは大切だけど、「裾風を立てずに座る」ことができるかどうかは軽視されている気がする

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この4月に、新入社員が数名会社に入って来ることになっています。

各部署に配属される前に、合同で研修が予定されています。

研修では約1か月間、社会人としての最低限のマナーを学んだり、会社の歴史や仕事内容を学んだりすることになります。

私も数日間、新入社員向けに研修することになりました。

どんな研修をしようかと考えていたのですが、ふと彼らの内定式の様子を思い出しました。

内定式では、皆一様に落ち着かない様子だったんですが、その中で気になる仕草や態度を取っている新入社員が数人いました。

そこで研修は、仕草をテーマにしてみることにしました。

今回は、新入社員研修で触れる予定の「座り方」の仕草について書いてみます。

 

 

 

上座と下座

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会社の上司や、取引先の顧客、結婚相手の親、年長者に対して、敬意を表す際に上座を勧めることがあります。

部屋の中で上座はどこになるかは、和室と洋室で若干異なります。

和室の場合、床の間を背にした、入口から最も遠い位置の左側が最高位の場所となります。

この左側とは、床の間を背にした人から見た側のことです。

古来より日本では、右よりも左が上位だと考えられてきました。

そのため、ひな人形も昔は左が男雛、右が女雛に飾られていました。

現在は、天皇皇后両陛下が公式の場で並ばれる並び方に倣って、右が男雛、左が女雛と並べられることが多くなりました。

この考え方に沿うと、和室でお茶や料理を出す際は、相手の右側から差し出すのが礼儀にかなうことになります。

洋室の場合、和室とは違って、上座がどこになるか判断に迷うことがあります。

基本的に、出入り口から一番遠いところが上座になります。

洋室にソファがある場合は、2人がけのソファがあれば、そこにゆったり1人座ってもらうのが良い場合もあります。

その場合は、出入り口から一番遠い場所でなくても、2人がけソファが上座になることになります。

また、暖炉や飾り棚がある部屋の場合は、それを床の間に見立てて上座がどこかを判断する方法もあります。

 

裾風を立てずに座る

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座ったり立ったりする際、風や音を立てる人がいます。

男性の場合は、椅子や座敷に座る際にドサッと腰を下ろす人がいます。

また、椅子やソファに座る際に深々と腰を下ろしてしまうと、踏ん反り返って偉そうな印象を与えてしまう場合があります。

女性の場合は、スカートからふわりと風を立てながら座る人がいます。

日本では昔から、「裾風を立てずに座る」のが美しいとされてきました。

明治、大正時代の家庭では、母親が娘をしつける際に、目の前に半紙一枚を置いて、紙が飛ばないように座る訓練をする家庭が多かったそうです。

当時は、普段着物姿で生活していた人が多くいました。

着物姿だと、裾が音や風を立ててしまいます。

座る際に風を立てるということは、相手に自分の下半身の臭いを嗅がせることになるので、失礼なことだとされてきました。

そのため、座る際に着物の裾で風を立てないようにするのが、美しい所作とされてきました。

 

裾風を立てない座り方

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畳や床の上に座る際、裾風を立てないようにする簡単な方法があります。

両膝を揃えて座ると、どうしても音や風が立ちやすくなります。

そのため、片膝ずつ畳や床につけるようにすると、裾風が立ちにくくなります。

椅子に座る際も、最初から深く腰掛けるのではなく、少し浅めに座るようにすると、裾風が立ちにくくなります。

また、慌てて立ったり座ったりするのも、裾風が立つ原因になります。

焦ったり慌てたりしないということも、裾風を立てないコツだと思います。

 

形から入るのは大切なことなのかもしれない

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裾風を立てないようにするには、前述のような「形」から入れば誰でも簡単にできます。

作法やしきたり、マナーには、全て由縁や理由があると思っています。

作法やマナーを学ぶ際、「形」から入ってもいいと思いますが、「形」そのものに「意味」が込められているものはたくさんあります。

私は、

「型を知らない人は、本当の型破りにはなれない」

と思っています。

作法やマナー、しきたりと言われると、鬱陶しく面倒なものだと捉えられがちです。

でも、型を知らなければ、本当に型破りなものは創造できない気がします。

仮にできたとしても、創造できるまで遠回りになったり、周囲の協力が得られないという場合が多いのではないでしょうか。

また、本人は型破りなものだと思っていても、同じようなものは大抵過去に創られている場合が多くあります。

先人たちの工夫や努力は、「型」として残されているわけですから、それを活用しないのは非常にもったいない気がします。

「型」を理解するのに、何年・何十年とかかる仕事や業界、ジャンルはたくさんあると思いますが、そんな分野こそ「突き抜けるような『型破り』な人物」が現れると、途端に面白くなる気がします。