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マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

最近あまり聞かない気がするけど、お土産を「つまらないものですが」と言いながら渡す本当の理由

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仕事で福岡に出張してきた同僚が、お土産を買ってきてくれました。

福岡のお土産として大人気のお菓子「博多通りもん」。

美味しいから大好きなんですが、これは福岡県内でしか買えないお菓子のようですね。

最近は、一部通販でも購入できるようになったみたいですが、「その場所に行かないと買えないもの」は、お土産には最適な気がします。

そんな美味しいお菓子をお土産に貰ったので、今日は「お土産」について書いてみたいと思います。

 

 

 

なぜお土産を買って帰るのか

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旅行や出張に行った際、家族や会社の人達にお土産を買って帰る人は多いと思います。

どこかに行った際にお土産を買って帰るという習慣は、日本だけでなく外国にもあります。

でも、日本人ほどお土産を買って帰るのに熱心なのは、他の国の人ではあまり見かけない気がします。

海外の観光地でも、大抵のお土産屋には日本人が常に溢れています。

調べてみたら、お土産を買って帰る習慣は、少なくとも日本で1000年以上続いている習慣のようです。

 

「みやげ」の語源

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奈良時代に編纂された歌集「万葉集」には、遠方に出かけた際に家族にお土産を持ち帰ったことや、知人を訪問する際に手土産を持参していたことが登場します。

当時「お土産」は「つと」と呼ばれていました。

家族に持ち帰るお土産のことは「家づと」と呼ばれていました。

奈良の都を訪れた際、買って帰るお土産のことは「都のつと」と呼ばれていました。

平安時代になると、今と同じ「みやげ」と呼ぶようになります。

漢字で書くと「宮笥」です。

「笥」は、「箪笥(たんす)」という単語にも使われるように、入れ物という意味です。

単なる入れ物ではなく、神社仏閣で賜ったものを入れる容器や、容器の中に入れるお札の貼られた板のこととされています。

神社仏閣を詣でた人たちが、神仏のご利益あるお札などを持ち帰り、家族や餞別をくれた人たちに配るのが、本来の「みやげ」だと言われています。

他にも「みやげ」の語源については諸説ありますが、この「宮笥」が語源となっているという説が有力のようです。

 

「土産」と表記されるようになった時代

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室町時代になると、「宮笥」ではなく「土産」という字が使われるようになります。

神社で賜ったお札だけでなく、行った土地の名産品を買って帰る習慣が生まれたため「土産」と表記されるようになったと言われています。

室町時代前期頃は、有名な和歌にちなんだ特産品が、土産物として好まれていたそうです。

ただ、当時の土産物には食材や食品加工品が多かったため、あまり日持ちがしないものも多かったようです。

室町時代後期になると、扇や編み笠、筆などの工芸品が好まれるようになりました。

また、神社仏閣への参拝客が増えたため、近くに茶屋や土産物店が増えた時代でもありました。

こうしてみると、日本人がお土産を買って帰る習慣は一朝一夕にできたものではないようです。

もしかすると、日本人のDNAには「旅行に行ったらお土産を買って帰るもの」という記憶が刷り込まれているのかもしれませんね。

 

なぜ「つまらないものですが」と言いながらお土産を渡していたのか

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最近はあまり聞かない気がしますが、以前は「つまらないものですが」と言いながら、お土産を渡す人は多かった気がします。

なぜ「つまらないもの」なんて言い方をするのか、『武士道』の著者・新渡戸稲造がその著書の中で解説しています。

誰しも、贈り物を選ぶ際には、相手に喜んでもらうことを考えて選びます。

いざ選んだものを渡そうとすると、相手があまりにも素晴らしい人なので、選んだ品物がつまらなく見えてしまいます。

そこから「つまらないものですが」という言葉が自然に出てくるものだとされています。

つまり、「あなたが素晴らしいので、どんな品物でもつまらなく見えてしまいます」という意味で使うのが正しいようです。

品物がつまらないのではなく、相手の素晴らしさを表現した言葉だったんですね。

そう考えれば「つまらないものですが」と、品物を申し訳なさそうに渡す必要は一切ありません。

相手に対する敬意を込めて、自信を持って手渡せば良いのです。

最近は「つまらないものですが」と言うのは、相手に対して失礼に当たると解説している記事やマナースクールも多いようです。

その際、失礼にならない言い換えの表現も、一緒に紹介されているケースが多くあります。

でも、「つまらないものですが」の本来の意味を考えると、この言葉を使っても、相手に対して何ら失礼なことはないと思います。

時代と共に変わる言葉や表現の意味。

「つまらないものですが」の本来の意味が伝わる間柄であれば使って良いのかもしれませんが、大切なのは言い方よりも気持ちを正しく伝えることなのかもしれませんね。

マナーとは、相手に不快な思いをさせないためにあるものです。

相手や状況に合わせて、自分の気持ちを正しく伝えられるお土産の渡し方を選ぶのがいいのかもしれませんね。