マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

「2分の1成人式」に参加してきたから、「十三参り」と合わせて色々考えてみた

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小学4年生の娘と、2年生の娘がいます。

昨日は娘の通っている小学校で「2分の1成人式」があったので、会社を休んで出席してきました。

私が小学生の頃は、10歳を祝う2分の1成人式という行事はなかった気がします。

どうやら、最近になって行われ始めた行事のようですね。

2分の1成人式に関しては、感動したという話以外にも、行事自体を批判する意見もあるようです。

何が問題なのか気になっていたんで、参加して先生にいろんな話を聞いてみました。

そんなわけで、今回は「2分の1成人式」と「十三参り」について書いてみます。

 

 

 

2分の1成人式とは

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30年ほど前に、兵庫県西宮市の小学校で開催されるようになったとされる「2分の1成人式」。

20歳の半分に当たる10歳を迎えたことを記念して行われるようになった行事です。

最近は、全国の小学校で2分の1成人式が開催されているそうです。

学校で行われる場合には、10歳となる小学4年生を対象に、校長や保護者による祝いの言葉、親への感謝の手紙が朗読される場合が多いようです。

私が出席した2分の1成人式は、小学4年生の各クラス毎に開催されていました。

式次第は

  1. はじめの言葉
  2. 児童一人一人から、両親へのメッセージをスピーチ
  3. 両親からの手紙贈呈
  4. 2分の1成人式の歌合唱
  5. おわりの言葉

という流れでした。

 

2分の1成人式 良かった点

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児童が一人ずつ、両親への感謝の気持ちや将来の夢をスピーチする場面では、思わず涙ぐんでしまう保護者がたくさんいました。

式が終わった後に先生に聞いたところ、スピーチの原稿に関しては、児童が準備したものをほぼそのまま読んだそうです。

先生が手直ししたのは

「10年間育ててくれてありがとうございました」

といった箇所を

「10年間育ててくれてありがとうございます」

に直した程度だったそうです。

10歳を過ぎると、思春期に入り反抗期が始まる子供も多いと思います。

この時期だからこそ、子供は素直に親へ感謝の気持ちを伝えることができるのかもしれませんね。

親も、スピーチを聴きながら10年間の記憶を思い出してしまい、思わず感極まってしまうんだと思います。

 

2分の1成人式 気になった点

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私の知人に、バツイチ同士で再婚した夫婦がいます。

再婚した時点で、父親にも母親にも、子供がいました。

家族仲良くやっていると言っていましたが、子供同士は血が繋がっていません。

他にも、一昨年の暮れに奥さんを病気で亡くした知人がいます。

その知人には、小学生3年生のお子さんがいます。

たまたま、私の娘が通っている小学校にはいませんでしたが、事情があって親と一緒に暮らせず、施設で暮らしている子供もいるはずです。

そんな子供たちは、果たして2分の1成人式で親への感謝を素直に語れるものなのでしょうか。

そんな疑問があったので、2分の1成人式が終わった後、クラス毎の保護者懇親会で、先生にそれとなく質問してみようと思いました。

 

先生の回答

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私が聞くまでもなく、先生は2分の1成人式を開催する是非について話をしてくれました。

先生たちの間でも、2分の1成人式を開催することに、毎年賛否の声が挙がっているそうです。

特別な家庭事情を持っている子供も、少なからずいるはずです。

私の知人のように、最近親を亡くした子供だっているはずです。

そうした家庭の事情については、事前に学校が分かる範囲で調べ、クラス毎に開催するかどうかを判断しているとのことでした。

先生の個人的な意見としては

「育ってきた環境はそれぞれ異なるけれど、これまで生きてこれたのは誰かが育ててくれたからだということを、子供たちに気付いてもらえるきっかけになれば良いと思っています」

とのことでした。また、

「もちろん、学校で把握できない家庭事情や親子関係はたくさんあると思っています。親にとっても、これまでの10年を振り返ることで、これからの子供との関係を考えるきっかけにならないでしょうか」

とも話をされていました。

 

2分の1成人式を批判する意見の中には、

「親を喜ばせるためだけの行事なんていらない」というものもあります。

感動を押し売りするためだけの行事であれば、必要ないものなのかもしれませんね。

でも、2分の1成人式が持っている本当の意味や目的は、単なる感動の押し売りだけなのでしょうか。

 

「知恵もらい」と言われる「十三参り」

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日本では古来「十三参り」という行事があります。

旧暦の3月13日に、数え年で13歳になった男女が、虚空蔵菩薩を安置するお寺に参詣する儀式のことです。

お宮参りや七五三は、神社に参拝する儀式です。

でも、この十三参りは、寺院に参詣するという珍しい儀式です。

京都の嵐山にある、法輪寺の本尊・虚空蔵菩薩に参詣し、福と知恵を授かろうというものです。

現在は、法輪寺以外でも近畿・東北地方を中心に、虚空蔵菩薩を安置するお寺で十三参りが行われています。

十三参りは、別名「知恵もらい」と呼ばれています。

虚空蔵菩薩は知恵の仏で、13番目に生まれた菩薩だとされています。

そこで、13のつく日に参詣して、仏から知恵を授けてもらおうという儀式が生まれました。

参詣方法は、境内で売られている13品目のお菓子をお供えし、知恵を授けてもらうことから始まります。

そのお菓子を持ち帰って、家庭で食べるのがしきたりです。

知恵を授けられたお菓子を持ち帰る際、途中で振り返ってしまうと、知恵を虚空蔵菩薩に返すことになるとされていました。

そのため、十三参りでは振り向かずに家まで帰るのが決まりとされています。

 

十三参りの目的

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女性にとって、数え年が13歳という年齢は、干支の重なる厄年と言われていました。

そのため、厄落としの意味を込めて十三参りが行われていたそうです。

女性は子供向けの着物ではなく、大人の女性向けの振袖を身体に合わせて補正します。

大人用の着物を、生まれて初めて身に付けた上で参詣するものとされていました。

つまり十三参りは、一人前の女性になるための知恵と幸せを授かるための行事だったんです。

男性の場合、虚空蔵菩薩に参詣するのは4月13日とされている場合が多いようです。

男性にとって、13歳は干支で二順目に当たるため、元服前の「半元服」を祝う意味がありました。

 

2分の1成人式と十三参り

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今は20歳になると「成人式」を行い、大人の仲間入りを祝っています。

昔は、「元服」という儀式がありました。

元服は奈良時代以降、男性の成人の儀として行われてきました。

成人式や元服を迎える前に、子供の成長を祝う「2分の1成人式」と「十三参り」。

十三参りの目的は

「厄落とし」

「一人前の女性になるために、知恵と幸せを授かること」

「身体が大人になりつつあることを祝う」

ことだとされています。

 

2分の1成人式に対する、賛否の意見や、私が感じた疑問の数々。

十三参りと2分の1成人式は、似て非なる行事なので、単純に比べてしまうのは良くないのかもしれません。

でも、疑問解決のヒントは、古来から伝わる「十三参り」に隠れているような気がします。

十三参りは、大げさな感動を伴う行事ではないし、子供から親に対して感謝を一方的に伝える行事でもありませんからね。

もしも2分の1成人式に「厄落とし」の意味を入れるとするならば、これまで無事に生きてこれたことに対して、もっと感謝してもいいような気がします。

「一人前の女性になる」ことを願うのであれば、学校教育や家庭での教育、自分を支えてくれる友人達への感謝の気持ちが込めらていてもいいのではないでしょうか。

「身体が大人になりつつあることを祝う」のであれば、食事に対する感謝もあっていい気がします。毎日の食事は、動物や植物の命を頂いているわけですからね。

古来から伝わる十三参りは、虚空蔵菩薩に参詣することで、たくさんの感謝の気持ちを表現する儀式でもあったのではないかと考えています。

10歳になる自分にとって、今の環境や今までの環境に対して感謝すること。そしてどんな力が自分に身に付いたかを知ることが、2分の1成人式で本当に必要なことなのではないでしょうか。

そして、今持っている力をどう成長させて、これからの人生を歩んでいきたいのかをじっくり考える、そんな日であるべきではないかと思います。

小学4年生にとっては、少し難しい内容なのかもしれませんけどね。

他にも色々考えてはみたのですが、あまり頭の回転が速い方ではないので、もっと簡単で具体的な解決案がパッと出て来ません。

こうなれば私も虚空蔵菩薩に参拝して、解決の糸口を頂くことにしようかな。