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マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

「目を見て話す」コミュニケーションが、失礼になる場合もあるようです。

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近くでイベントがあったので、朝から家族で遊びに行ってきました。

混雑が予想されたので、早めに出かけようと思ったのですが、妻のメイクに予想以上の時間がかかってしまい、予定の時間より30分ほど遅れて出発しました。

特に慌てる必要もなかったので、メイクする姿を何気なく見ていました。気になったんですが、女性の皆さんは目元のメイクに力を入れるものなのでしょうか。

妻は、マツエクしたりアイラインに時間をかけたりと、目元にお金と時間をかけているようなので。

目元が変わるだけで、顔の印象って全然違いますよね。

妻の準備が終わるのを待つ間、そんなことを考えていたので、今日は「目」と「コミュニケーション」について書いてみます。

 

 

 

目を強調するのはなぜなのか

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歌舞伎独特の化粧法に「隈取(くまどり)」というものがあります。

芝居小屋などで、遠くからも役者の表情が見やすくなるように使われている化粧法です。

顔の筋肉や血管を誇張するために描かれるようになったと言われています。

隈取で目を強調することで、観客や演者を威圧するためにも用いられています。

自然界においては、猿やゴリラと遭遇した場合、目を合わせることは「威嚇」になります。

野生の動物、中でも猿にとっては、目を合わせるということが相手の緊張を高めることになります。

また、ヒヒの中には、敵をにらみつける際にまぶたを上げて、鮮やかな色を露出させることで目を大きく見せ、相手を威嚇するものもいます。

目を強調するのは「相手を威嚇するため」「威圧したいため」という理由がありそうです。

 

人間の目には「魔力がひそんでいる」という言い伝え

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世界各地の伝説や神話で、人間の目には魔力がひそんでいると信じられていました。

ネイティブアメリカンの言い伝えでは、子供を睨みつけることで、その子供に不幸をもたらすと信じられていたそうです。

また、南アフリカの言い伝えでは、生理中の女性が男性を睨めば、男性は動けなくなり樹木に変えられてしまうと信じられていたそうです。

英語にも「目で殺す(the look that kills)」という言葉があります。

この言葉も、目には邪悪な力があると信じられていた伝説が元になった言葉だとされています。

 

目を見つめても良い人、悪い人

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古来から、高貴な身分の人を直視することはタブーとされてきました。

日本では、天皇や皇族に対しては最敬礼をするのが常で、直接見ることは許されないと言われた時代が長く続いていました。

中国でも、皇帝や貴族を直視したことを咎められ、目を潰されたり処罰されたという話はたくさんあります。

 特に中国の儒教の教えの中では、男性が女性を見つめることについても厳しく定められていました。

儒教では、兄嫁の手に触れただけで不倫とされていたそうです。

更に、兄嫁を見つめることも不倫とされていました。

現代では考えられないほど、昔の道徳観は厳しかったようです。

 

失礼にならない「視線のつくり方」

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西洋のマナーでは、挨拶や会話の際に視線を合わさないのは失礼だとされています。

相手の顔を見ることで「相手の存在を認め」、一旦視線を外すことで「相手のプライバシーまで侵害するつもりはない」という意思を示すことが大事だとされています。

現代の日本でも、視線を合わさないのは失礼に当たるとされています。

でも、高貴な身分の人を直視してはいけないというしきたりや、儒教の教えが長い間浸透してきた日本では、西洋風の「目を見て話す」に若干の違和感を感じる人も多いと思います。

視線のつくり方のヒントに、「遠山の目付」(とおやまのめつけ、もしくは、えんざんのめつけ)というものがあります。

剣道でよく使われる用語です。

「目付」とは、目の付けどろこのことです。

「遠山」とは、相手の顔を中心として全体を見るという意味です。

山の頂上など、一部だけを見ようとすると、周りがぼやけてしまいます。

でも、山全体の景色を眺めるように意識すれば、麓から頂きまで全体を見渡すことができます。

この「遠山の目付」をコミュニケーションの場で実践できれば、相手は「ジロジロ見られている」と感じることは少ないでしょう。

「相手の目から胸までの高さ」

「相手の肩幅の広さ」

この範囲全体を眺める「視線の置き方」ができれば、相手に失礼な視線となることは無いと思います。

男性の場合は、頭髪に視線が集まることを気にする人もいます。

女性の場合は、胸元を見られることが気になる人だっています。

「相手の目から胸までの高さ」「肩幅の広さ」この範囲を「遠山の目付」で眺めつつ、「目を見て話す」ことができれば、相手は不快な気持ちになることも少ないと思います。