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マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

「名刺の角を折り曲げる」人はめったにいないけど、実はメッセージが込められているんです

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今日は所用があって、近くの法律事務所に行ってきました。

ベテランの女性弁護士さんと名刺交換して、1時間半ほど話し込んだのですが、とても素敵な女性でした。

物腰柔らかで、会話に無駄がなく、何より笑顔が素敵な方でした。法律の知識も豊富で、話が尽きませんでした。

用事が終わって失礼する際に、本当は今日お会いするはずだったもう1人の弁護士さんに、私の名刺を渡してもらうことにしました。

ちょっぴりいたずら心が芽生えて、名刺の左肩を折って渡してみたんです。

名刺の角を使ってメッセージを伝えようとする人なんて、今はいませんよね。

今日はそんな、名刺の角を折り曲げるマナーについて書いてみます。

 

 

 

コーリングカードを届ける際のマナー

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インターネットで調べると、名刺の角を折り曲げる意味について、大体次のような解説がされている場合が多いようです。

 

「名刺を悪用されたり、誰かに再利用されないために、昔は角を折る習慣があった」

 

確かに、悪用や再利用を予防するために、角を折る人がいたようです。

日本のビジネスマナーを解説した古い本などでは、「名刺の悪用や再利用防止のために、角を折っておくのが良い」と書かれたものもあります。

でも本来は、欧米でコーリングカードを届ける際に使われていたマナーなんです。

 

コーリングカードとは

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欧米では、名刺は2種類あります。

ビジネスカードと、コーリングカードです。

ビジネスカードとは、名前の他に会社名や役職、住所、電話番号などが入った、日本でも一般的に使われている名刺のことです。

コーリングカードとは、社交用に使われる名刺のことです。19世紀のアメリカで使われ始めたと言われています。

欧米で使われる名刺ですから、横向きのデザインになります。

名前だけしか書かれていないコーリングカードも多いのですが、名前の前にミスターやミセス、ドクターなどの肩書を入れる場合もあります。

男性の場合は住所を入れず、奥さんの名刺に住所を入れるのがマナーとされています。

コーリングカードは、サイズは特に決まっていません。女性のコーリングカードは若干小さめで、男性や高い地位の者のコーリングカードは、心持ち大きめです。

色は白やクリーム色のものが多く、インクの色は黒が使われる場合が多いようです。

このコーリングカードですが、慶弔の訪問の折に、先方の名刺受けに残したり、花や贈り物に添えたりするのに使われていました。

また、ちょっとしたパーティに招待する際も、招待状代わりに使われることがありました。

イギリスの社交界では、名刺の下に「カクテル」と書いた上に、時間を明記してパーティに招待する習慣がありました。

例えば、夜の7時から9時半までのパーティであれば「Cocktails 7.00-9.30」といった書き方をしていたそうです。

 

角を折る場所によって、異なるメッセージ

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このコーリングカードを届ける際、角を折ることで様々なメッセージを伝えることができるんです。

名刺の右肩を折ると「おめでとうございます」という意味。

名刺の左肩を折ると「私本人が参りました」という意味。

名刺の右下を折ると「お気の毒ですね」「ご愁傷様」という意味。

名刺の左下を折ると「離任します」という意味になります。

コーリングカードが生まれたアメリカでも、現在このマナーの意味を知っている人は少ないようです。

こうなると、もはや実用的なマナーとは言えませんね。

 

日本で、名刺の角を折り曲げてもいいのか

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年始回りなどで、訪問先の会社に名刺を残していく習慣は、今も残っていると思います。

ビジネス用の名刺で、名刺の角を折ってメッセージを伝えるのは、本来は間違った使い方なのかもしれません。

でも、敢えて角を折った名刺を置いてきたとしたら、訪問先の方はどんな反応をするんでしょうね。

名刺の角を折るのは、現在は一般的に使われていないマナーなので、ビジネスの現場ではやめておいた方がよさそうですね。

角を折った名刺を置いて帰るのではなく、誰かに手渡しする際、さりげなく意味を説明できるのであれば、誤解されることは少ないと思います。

肩書も住所も印刷されていない、名前だけが入ったコーリングカードを使う人は、今も少なからずいらっしゃいます。

そんなコーリングカードを嫌味なく使いこなせる人は、「粋な大人」なのかもしれませんね。

 

あ、私の場合、素敵なベテラン女性弁護士さんに、左肩を折った名刺を渡したら

「いやいやいやいや、名刺折ったらアカンのちゃいますか」

って笑いながらツッコまれました。

そりゃそうですよね。