マナースタイル★MannerStyle★

ビジネスコンサル兼マナー講師が、「マナー」「礼儀」「作法」「しきたり」の由縁について、調べたことをまとめたブログ。単なる備忘録です。

「いただきます」「ごちそうさま」には、たくさんの感謝の気持ちが込められている

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今日は喫茶店でコーヒーを飲みながら仕事の打ち合わせをしてたんですが、隣に若い女性と小さな女の子が座っていました。

女の子はパンケーキを注文していたらしく、運ばれて来た途端「すっごく美味しそうね、もう食べていい? いただきまーす」と嬉しそうに食べ始めました。

大人になると、外食するときに「いただきます」や「ごちそうさま」を言う人って少ないですよね。

「いただきます」って言うのは、なんだか気恥ずかしいから、私は箸を持つ動作と合わせて、さりげなく手を合わせるだけになってます。

食べ終わった後に「ごちそうさま」って言うのもやっぱり気恥ずかしいから、会計時に店員さんに言うくらいしかできません。

「いただきます」と「ごちそうさま」。なかなか外食時に言えなくなってしまったけど、この言葉の語源や意味、私は大好きなんです。今回は、そのことについて書いてみたいと思います。

 

 

 

「いただきます」の語源

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「いただきます」の語源って、諸説あるみたいですが、一般的には、「いただく」という言葉が元になっていると言われています。

「いただく」は、神様にお供えしたものを食べる際や、身分の高い人から何かを受け取る際、一度頭の上(いただき)にかかげたことが由来となってできた言葉なんです。時代が経つにつれ「食べる」「もらう」という言葉の謙譲語として「いただく」が使われるようになりました。やがて食事の前に「いただきます」と言うようになり、食事前のあいさつとして定着したそうです。

 

「いただきます」の意味

食材への感謝の気持ち

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肉や魚だけでなく、野菜や果物にも命がありますよね。

毎日の食事には、たくさんの生物の命が込められているってことになります。

だから「いただきます」という言葉には「たくさんの食材から命をいただいて、私の命に代えさせていただきます」という意味があるんです。

この、食材に対する感謝の気持ち、命に対する感謝の気持ちこそ、「いただきます」の言葉が持っている一番大事な意味なんです。

 

人への感謝の気持ち

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食事が目の前に運ばれてくるまでに、たくさんの人が関わっていますよね。

野菜をつくったり、動物や魚を飼育する人たち。食材を加工し、流通させる人たち。食材を調理し、配膳してくれる人たち、そして後片付けしてくれる人たち。ハンバーガー1個で考えた場合でも、それをつくるために何十人もの人が関わっていることになりますよね。

食事に関わってくれた人たちに対する感謝の気持ちも「いただきます」には含まれているんです。

食事に関わってくれた人たちの中には、それを仕事としている人も多いですよね。農家、漁師、仲卸、料理人なんて人たちは、仕事として関わってくれたわけです。

仕事なんだから、別に感謝する必要がないんじゃないかと考える人もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。感謝に値するプロの技術や経験があるからこそ、見た目が綺麗で美味しい食事がつくられるわけですからね。そして、その人たちの時間、言い換えれば「命の時間」を頂いたことにもなりますよね。

今は、昔ほど食べるものに困る時代ではなくなったから、「いただきますやごちそうさまを強制させないで!」って議論が起こっちゃうんだと思います。でも、ほんの100年位前までは、食べるものがなくて苦労していた人たちも沢山いたんです。

だから、「いただきます」っていう言葉は、食材の「命」と、食事に関わる人たちの「命の時間」を頂いて、自分の「命」に代えさせて頂くという感謝の気持ちが込められた、とっても素敵な言葉なんだと思ってます。

 

「ごちそうさま」の語源と意味

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「ごちそうさま」は、漢字で書くと「御馳走様」。

「馳走」は、走り回るという意味です。昔は食材を揃えるだけでも大変な作業でした。ただ走り回るだけでなく、「馳」「走」という2つの文字を重ねて表現するくらいに、食材集めにたくさんの人たちが奔走する必要があったんです。

そんな苦労をして集めた食事のことは「馳走」の前に丁寧語の「御」をつけて「御馳走」と呼ばれるようになりました。

更に、食事を準備をしてくれた人への感謝と敬意を込める形で「様」がつき「御馳走様(ごちそうさま)」が生まれたと言われています。

 

「いただきます」「ごちそうさま」は日本特有のマナー

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海外では、「いただきます」「ごちそうさま」に相当する挨拶が少ないみたいですね。

でも、神に感謝してから食べる国はたくさんあります。

キリスト教圏の国では、食事前に「アーメン」と神に感謝してから食べ始めることもあるようです。映画でよく見ますよね。

イスラム教圏の国であれば、神の御名の入った言葉を唱えてから食事を食べ始める場合もあるとか。

こうしてみると、日本の「いただきます」は、神というよりも命に感謝する意味合いが強い言葉ですね。

 

「食材」「人」「自分」それぞれの命に感謝を表す「いただきます」と「ごちそうさま」。

簡単に食べ物が手に入る現代は、そのありがたみが薄れてきた言葉なのかもしれませんが、私は大切にしていきたい言葉だと思っています。

食事の時間って、一緒に過ごす人と心地よい時間を過ごすことができますよね。ただ空腹を満たすだけでなく、豊かな時間を過ごせる食事が大好きだから、私は「いただきます」と「ごちそうさま」を大切にしたいんです。